アイロンかけを通した人間観察

アイロンをかけるのが私は結構好きです。
綺麗好きだからではありません。
特別私は細かい性格と言うわけでもありません。
でも、アイロンは時間をかけて丁寧に仕上げたいといつも思ってしまいます。

そして、それには大きな理由があるのです。
見栄っ張りな私は、主人が外で働きに出ている戦闘服と言ってもよいスーツの下に着ているYシャツだけはしわがなく、きっちりしてほしいのです。
主人のYシャツからは主人だけではなく、私の存在が隠れているのです。
Yシャツをだらしなく着ている御主人がいれば、どの人も「奥さんがいないのかな?奥さんがだらしない人なのかな?」とその人の後ろにいる奥さんの存在を見てしまうのです。
それは私だけではなく、かなりのママ友がYシャツとスーツだけはしっかり着てほしいと言っています。
やはり、仕事で着る服を通して、奥さんの人柄を覗いているのでしょう。
なので、私はかなりきっちりYシャツにアイロンをするのですが、やはりやるならばしっかりやってあげたいと思っていた私にすごい話が舞い込んできたのです。
それは義理の兄が話していた言葉でした。
「俺は自分でアイロンするんだけど、見える部分にしかアイロンをかけないんだ。」と言う言葉。
最初、耳を疑ったのですが、確かにそういったのです。
そしてよく聞けば、襟元、胸元くらいしかいつも冬はアイロンしないそうです。
私も見える部分だけはしっかりしてほしいと言うタイプなので、隠れているところは別に…という義理の兄の意見は理にかなっているような気がしました。
それに激怒したのは義理の母です。
お嫁さんが何もしないと怒り始めました。
理にかなっているな…なんて感心している私は、義母の反応を見ながら「でも私にはそれをする勇気がないからやめておこう…」と心に誓ったのです。

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