翻訳業の魅力

翻訳の案件は多岐にわたり、その都度、その案件に関するリサーチが必要なため、語学以外にも色々な情報、知識が日々身に付くことが、翻訳業の魅力です。

仕事を始めた当初は、何度も確認したにいも関わらず、ケアレスミスを見落としたり、的確な訳語が何時間掛けて考えても思い浮かばず、不自然な日本語訳を当ててしまうこともありましたが、経験を積むにしたがって自分の納得のいく訳出しができたときや、高い評価を受けた時などはなんとも言葉にしがたい達成感があります。
また私は、プロジェクトマネージメントの仕事にもかかわることがあるため、さらに多くの案件を色々な角度から見ることができ、そちらもたいへん勉強になります。
10年以上の翻訳経験のある翻訳者の訳がクライアントの希望で半分以上直しが入ることもある厳しい世界です。

仕事を受ける際、通常経験年数を聞かれます。
翻訳に関しては、経験年数も大切ですが、とにかく実力がものをいう世界だと思います。
トライアルを受けて実力が評価されれば、経験のない若い人たちでもチャンスを手にし、成功を収めることができると思います。
SNS などを使って世界と簡単に繋がることのできる時代でし、景気に割と左右されることがない安定した業界と言えると思います。
また、言葉は生き物なので、常に変化します。
その変化を察知し新しい情報を入手するリサーチ力も大切です。
翻訳は語学力が優れているからできるという仕事ではありません。
コンピュータースキルも必須です。
CAT ツールを使いこなし、素早くミスのない時代に沿った仕事をするよう心がけましょう。

翻訳のお仕事を請け負ったこと

一度、翻訳のお仕事を請け負ったことがあるのですが、
想像以上に難しく何度も挫折しかけた思い出があります。
英語と日本語では一つの単語だけでも、いくつものとらえ方があるものもあり、
相手の伝えたいことを100%反映した文章で翻訳するというのには無理があると
私は考えています。
そして、それは外国語を日本語に直す際だけではなく、
日本人が日本語を理解する際にも言えることなのではないでしょうか。
言葉や表情をいくら駆使しても、
相手の心を100%理解することなど、
私たちにはできないという現実があります。

「洋楽の日本語訳バージョン」というような曲がありますが、
その英語に見合った日本語を選ぶのと同時に、
メロディーに合う日本語を選ばなければならないため
曲の翻訳は二重に難しい仕事であると思います。
曲に関してだけでなくとも、これが仕事になってくるともっと厄介です。
たとえば外交で、違う国の首相・総理大臣が
お互いに自分たちの考えを述べた場合。
翻訳の人がきちんと的確な翻訳を行わなければ、
一歩間違えば大惨事に陥ります。
もちろんそこへ呼ばれる翻訳家の方々であれば、
そんなことをする心配はないでしょうが、
すこしの言葉の選びミスで、外交がめちゃくちゃになる可能性も
無きにしもあらずなのです。

人は相手の心を理解するための手段として、
表情や身振り手振り、そして言葉を用います。
態度だけでは伝わらないこと、言葉だけでは伝わらないこと
様々ありますが、せめて誤解を生むことなく
できるだけ正確に外国語を理解する能力を身につけられればと思います。

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