長いもの美味しい食べ方
長いもの一番美味しい食べ方は。
とろろにして、麦ご飯で食べる。
牛タンとあわせたりすると尚のこと美味しい。
そのメニューを某牛タン定食屋で初めて食べたとき、本当に目から鱗がでる思いだった。
こんなに素朴で美味しい組み合わせがこの世にあるものなのか、とそれからしばらくは夢にまで見るほどであった。
家で一回やった時、そんなに美味しくなかったのは何故だろう。
シンプルなメニューほどいろいろな加減があって難しいものだ。
それから、長いもはのりを巻いて天ぷらにしてもとても美味しい。
シソを巻いて揚げた物も美味しい。
衣をつけても、素揚げでも、何でも美味しいのだ。
この食べ方は、ああ長いもも、いもである、と思う。
ほくほくしているのだ。
とろろ月見そばも好きだ。
個人的には、一等美味しいとろろ月見そばは、駅にある立ち食いそば屋のやつである。
昔某駅で食べた、ぬるめのそのそばが忘れられない。
どんぶりの口までなみなみよそってあるそばの上には、山ほどの山菜に、一面覆ったとろろ、真ん中におとされた鶉の卵の黄身。
まだ小学生だったのに、大人に混じって一杯ぺろりと食べた。
未だにあれより美味しいとろろ月見そばには出会っていないが、思い出と言うのは過分に美化されているきらいがある。
それから、細切りにした長いもに、のりをちらして、わさび醤油をかけて食べる。
これは、あくまで居酒屋メニューであるが、本当に美味しい。
のりは、多いほうがいい。
わさびも、たっぷりのせる。
わさびの甘さが引き立って実に美味しいのである。
結局、何でも一番と言うのは難しいことだ。